Students’ voice

在・卒研究室生の声です

Aさん

研究内容:酸化物半導体のエピタキシャル成長および物性解明(特に電気伝導機構と結晶欠陥の相関)に取り組んでいます。前者については、ミストCVD法と呼ばれる成長手法を用いることで多様な酸化物薄膜(主にGa2O3系, GeO2系)を作製しています。また後者では、電気測定や電子顕微鏡観察などを組み合わせて、酸化物薄膜における結晶欠陥が電気伝導機構に与える影響を解明することを目指しています。

研究室生活:平日は研究、土日祝日は休みというスタイルで生活しています。普段の研究(実験やミーティング)は桂キャンパスで行いますが、吉田キャンパスやその他外部施設で実験を行うこともあります。桂キャンパス外での活動頻度は実験のテーマなどに左右されますが、平均的に月1~2回程度という印象です。研究がまとまれば、国内外の学会に参加することができ、非常に有意義な経験を積むことができます。さらに、4回生歓迎会や追いコン、BBQ、講座旅行など、研究のことを忘れて研究室のメンバー同士で親睦を深めるイベントも数多くあります。

田中研を選んだ理由:無機化学の観点から半導体研究を行いたいと考えていたため田中研を選びました。田中研に入る前は、電気系の研究室で酸化物半導体に関する研究をしていましたが、半導体は電気電子工学や化学、物理といった様々な要素が入り混じる分野であるため、電気系の知識に加えて無機化学の視点を持って半導体研究を行うことができる田中研に魅力を感じました。

後輩へのメッセージ:大学院まで進まれる方にとって、研究室は大学生活の半分以上に時間を過ごす場所になります。ですので、研究室を選ぶときには、それぞれの研究室の研究内容や雰囲気などをしっかりと把握して、どの研究室が自分に合っているのかを十分に考えてもらえればと思います。

Bさん

研究内容:私はマルチフェロイクス物質の研究を行っています。マルチフェロイクスとは強磁性と強誘電性を併せ持つ物質です。純粋な強磁性体(強誘電体)は磁場(電場)が磁化(誘電分極)を誘起しますが、マルチフェロイクスにおいてはこれらが相互作用し、磁場が誘電分極を誘起し、電場が磁化を誘起します。この特性を用いた省電力デバイスへの応用が期待されています。私たちはこのマルチフェロイクス物質の単結晶の作製と物理特性の解明を行っています。

研究室生活:私は普段平日に研究室での研究に集中し、土日にバイトをしたり遊んだりするという生活を過ごしています。当研究室はコアタイムがなく、実験のスケジュール等も自分で管理します。そのため責任は伴いますが、ある程度は融通をきかせやすく他の活動とも両立しやすいです。また普段の研究で得た成果を学会で発表する、自分達の研究室では出来ない実験をするために他の大学や研究機関にする等研究室外での研究活動を行うこともあります。

田中研を選んだ理由:学部の授業や実験を通して無機化学に興味を持ったことが最初のきっかけです。無機系の研究室の中でも学生の雰囲気が自分とあっていたところ、半導体、磁性体、光など無機化学の中でも幅広い研究分野を取り扱っているところに惹かれて田中研を志望しました。ただ後者の理由に関しては幅広い分野の全てに関われるわけではありませんでした。しかし自分の研究分野以外の視点を持つ人が身近にいるのは研究を進めるうえで非常に有用だったと思います。

後輩へのメッセージ:大学3回生までの3年間と研究室生活での大きな違いは能動的に動くことがより求められるということです。3回生までは授業や実験のカリキュラムが組まれており、それをこなせば最低限進級することは出来ます。しかし研究室においては必要な知識を身に着け、実験の計画を立て実行するまで全て自発的に行うことが求められます。ただ自分から動く意思があれば、先生方も先輩も必ず助けてくれるので不安に思う必要はありません。その上で研究室生活を楽しんでもらえればなと思います。

Cさん

研究内容:ナノアンテナと呼ばれるナノメートルサイズの周期構造を作製し、その構造を用いて蛍光体の蛍光等の光学応答を増強するという研究をしていました。ナノメートルサイズの構造を作製するためにナノインプリントリソグラフィという手法を用いていました。これは型を押しつけてナノ構造を作製するという手法です。そして、得られた試料を用いて光学測定を行い、MatlabやOriginというソフトを用いて測定により得られたデータを解析し、考察していました。

研究室生活:他研究室との合同発表会やその後の飲み会、送別会があり、研究室の仲間と仲を深めることができます。学会参加は年に数回あり、先生方に発表に関する指導をしていただくことができます。また、光班の場合は学会参加のための出張に加え、サンプル作製のために県外に行く必要があるため出張が多いです。コアタイムは無いため、自分で実験計画を立て実行しさえすればアルバイトやサークル活動、就職活動との両立も十分可能です。

田中研究室を選んだ理由:研究室見学に行き研究内容に興味を持ったことと研究室の雰囲気が決め手でした。今まで培ってきた知識を活かすことができなさそうな分野であると感じ、研究を進める上で苦労も多いのではと不安な気持ちが研究室に入る前はありました。しかし、光に関する研究でも学部時代に学んできた知識が役立つことは多々あり、研究を進める上で大変なこともありますが新しいことを学ぶ楽しさを改めて実感することができました。

後輩へのメッセージ:研究室の雰囲気で選ぶ、研究内容に興味がある等様々な研究室の選び方があると思いますが、自分が本当に重視しているのは何なのかをよく考えて選び方を決め、研究室を選ぶと後悔することは少ないと思います。研究室ではどうしてもわからないことが出て来ると思います。その際に指導教官の方や先輩に尋ねるということは重要です。しかし、尋ねる前に自分でよく調べ考えたうえで質問をし、自身の文献調査能力や思考力を磨いてほしいと思います。

Dさん

研究内容:私は、金属酸化物ナノ粒子からなる周期構造の作製と、それを利用した光の閉じ込め・指向性の制御に関する研究に取り組んでいます。特に、ナノ粒子周期構造が持つ発光増強機能に焦点を当て、より高効率な発光増強の実現を目的とした周期構造の設計・光学特性の評価を行っています。 試料作製は、主に半導体素子の製造に使用される微細加工装置を活用し、ナノメートルオーダーの構造形成を実現します。作製した周期構造の光学測定や電磁場解析(シミュレーション)によって光学応答のメカニズムを解析し、得られた発光増強度の評価を実施しています。

研究室生活:平日は研究、土日祝日は休みというスタイルで生活しています。私の研究テーマの特性上、外部施設の共用装置を使用する必要があるので、多いときは月に1回の頻度で出張しています。また春と秋の大きな学会への参加に加え、研究会・若手交流会などのために出張をすることもあります。研究室の行事としては、節目毎の飲み会やBBQ、講座旅行などがあり、他にも飲み会好きや趣味が合う人同士で遊ぶなど、定期的にイベントがある印象です。

田中研究室を選んだ理由:学部の講義の中でも物理的なトピックを扱ったものが好きだった事と、同期がやけに田中研を推していた事から、田中研を選びました。実際に取り組まれている研究テーマも機能・物性を基軸にしたものだったので、私の趣向に合った研究が出来ていると感じています。とりわけ、私が所属する光班は光学現象に関する多彩な概念に触れる事になるので、ちょっと頭を使ってみる(ような気になる)のが好きな方は、田中研で楽しめると思います。

後輩へのメッセージ:研究テーマも当然重要ですが、自分と研究室の研究に対するモチベーションのマッチングも考慮すると、より研究室生活が快適になると思います。 また、自分の配属時には全く気にしていませんでしたが、進路選択にD進がチラついている方は、研究室の博士学生の在籍人数や、論文投稿や学会発表の頻度などをチェックしてみることをオススメします。